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人事部門・労務管理者目線で見るワーケーションとは?

新型コロナウイルス感染症対策の一環として、政府のテレワーク推進も後押しし、新しい働き方へのシフトチェンジが進んでいます。その中で定着し始めた「ワーケーション」。以前、このワーケーションを実施するメリットを参加者目線と受入れ地域の目線でご紹介しました。

「労働」と「休暇」。ワーケーションで職場を離れて働くメリットとは?

新しい働き方として定着し始めた「ワーケーション」ですが、休暇を取りながらテレワークを行うプライベートに近い「休暇型」だけではなく、「業務型」を積極的に取り入れる企業が増えてきました。

(引用 観光庁「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー より)

「企業」と「従業員」のワーケーションに対する考え方は?

観光庁では、企業と従業員の両者を対象にワーケーションに対する意識調査を行ったところ、ワーケーションの認知度が約8割に達していることがわかりました。

類型別にみると「有給休暇を利用しリゾートや観光地の旅行中に一部の時間を利用してテレワークを行う」という休暇型ワーケーションについての認知度が約50%と高い結果となっています。一方で、いわゆる「業務型」ワーケーションへの認知度は35%となっています。

それでは企業が「業務型」ワーケーションを積極的に取り入れるようになった背景とはどのようなものなのでしょうか?

事例や人事制度設計についても触れながら、ご紹介します。

企業がワーケーションを制度として導入する目的

観光庁の調査によると、企業にとってのワーケーション導入理由は「従業員の心身のリフレッシュによる仕事の品質と効率の向上」「多様な働く環境の提供」の2つが最も大きいことがわかりました。

さらに「優秀な人材の雇用確保」「優秀な新卒社員や若手社員の採用および定着率の向上」や「自己成長および会社への貢献」を期待する企業が多数みられます。

福利厚生の観点だけでなく、ワーケーションを企業の人事戦略や自社の経営課題に生かすといった期待が見られるのです。

(引用 観光庁「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー より)

ワーケーション導入企業のひとつ、「ユニリーバ・ジャパン」の事例

同社では2016年より働く場所や時間を社員が自由に選べる新しい働き方「WAA(ワー)」(Work from Anywhere and Anytime)を導入していました。

さらにこの働き方が地方創生と親和性が高いことから、「地域 de WAA」とし、提携している自治体にある施設を「コWAAキングスペース」(コワーキングスペース)として社員が無料で利用出来たり、業務外の時間には自治体の考える地域課題の解決に貢献する活動を行ったりしています。

上長に申請のもとで、業務上の支障がなければ「WAA」の制度利用が可能で、また業務外の地域貢献活動の時間も社として保険費用を負担・加入を義務付けるといった、人事部門・労務管理者でも社員を見守るような人事制度の設計がなされています。

参考:観光庁「新たな旅のスタイル」導入企業事例”ユニリーバ・ジャパン”より

人事部門・労務管理者目線で見るワーケーションとは?

「ワーケーション」を導入することで得られるメリットとして、企業にとっては生産性の向上、人事戦略・経営課題の解決が挙げられることが分かりました。

一方で、ワーケーションを労働時間に含める場合に、仕事と休暇の切り替えが難しいというデメリットがあります。

さらに企業側にとっても、就業規則の整備や、離れた場所で働く従業員の勤怠管理、業務上災害(労災)時のルール作りといった、制度設計が必要になります。

令和3年3月には厚生労働省が「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」を出し、人事制度設計のためのガイドラインとして活用されています。

企業のワーケーション制度の導入には人事制度の設計についても効果検証を行いながら、推進されているのです。

まとめ

「ワーケーション」を人事制度として導入を検討している企業側の視点でご紹介しました。制度として導入する前にまずは実験的にワーケーションをお試ししてみませんか。

熊本県内でもワーケーションに積極的に取り組んでいる自治体があります。
是非ご活用ください。

熊本県芦北町 「ためしてあしきた!

熊本県水上村 「みずかみのワーケーション

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