今注目の「メタバース」、仮想空間で広がる未来
Metaverse(メタバース)とは、Meta(超越した)+Universe(宇宙)を組み合わせた造語になります。Facebook社が社名を「Meta(メタ)」に変えたことで話題となりました。もともとSF作家ニール・スティーヴンスンが1992年に発表した作品「スノウ・クラッシュ」に登場する、架空の仮想空間サービスに付けられた名前でした。その後、テクノロジーの進化によってさまざまな仮想空間サービスが登場すると、それらの総称としても使われるようになりました。メタバースは簡単に表すと「仮想空間」のことで、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)の技術を用いたバーチャル空間で他の人とコミュニケーションをとることができます。ここ数年仮想現実(VR)や拡張現実(AR)は私たちの身近になってきており、メタバースもどんどん進化しています。さらに、仮想空間にブロックチェーン(取引履歴を暗号技術によって正確な取引履歴を維持しようとする技術)を用いて、ビジネス的な広がりもあります。
目次
メタバースの活用例
「メタバース」には以前から様々なサービスがあり、中にはすでにサービスが終了しているものもあります。そこで、現在どのようなサービスがあるのか一部ご紹介します。
アメーバピグ
「アメーバピグ」は2009年2月にサイバーエージェント社がサービスを開始しました。自分に似せたアバター「ピグ」をつくり、代々木公園・渋谷・浅草などにもした広場(チャットルーム)などでチャットをすることができました。PC版はAdobe Flashで作られていたため、Adobe Flashの廃止に伴い2019年12月2日にPC版・モバイル版のサービスを終了しました。現在ではスマートフォン版のみでサービスを継続しています。
VRChat
2014年にVRChat Inc.によって運営されているソーシャルVRプラットフォームになります。プレイヤーが自由にアバターを作りアップロードして使うことができ、コミュニケーションを図れます。VRゴーグルなどを持っていないプレイヤーのためにデスクトップ版も用意されていますが、アバターの手足を自由に動かすことができないため、楽しさは半減します。
Horizon Workrooms
Quest2(Meta社のVRゴーグル)を使いVR空間に集まり、Webを併用しながら会議や仕事ができるシステムで、VRで最大16人、ビデオ通話の参加を含めると最大50人が同時に利用できます。(PCブラウザからも利用できる)またデスク、パソコン、そしてキーボードも一緒にVR空間に映し出すことができ、バーチャル空間で仕事をすることが可能です。
引用:https://about.fb.com/ja/news/2021/08/horizon-workrooms/
これらのサービスの中でリモートワークやオンライン商談が多い現在、特に「Horizon Workrooms」は今後ビジネス利用が加速すると予想されます。何と言っても一番の魅力は、そばにいるような感覚で接することができるということではないでしょうか。他にも、大人気Nintendo Switch用ゲーム「あつまれ どうぶつの森」も、メタバースの一つであるとされています。
メタバースのデメリット
準備が必要
現状ではVRゴーグルが必要だったり、パソコンが必要になることが多いため、それらを揃えることが最初のハードルと言えます。
メタバースへの依存
技術革新により際限なくリアルになって行く仮想世界で犯罪体験が横行した場合、犯罪体験に影響を受けた者が現実でも同様の行動に及ぶ可能性が危惧されています。
法の整備
仮想世界が無法地帯であるため、早急に法整備すべきという声があり、一部で議論されています。
まとめ
メタバースというとアバターを使ったSNSというイメージがあったのですが、最近ではブロックチェーン技術により、メタバースの中で自由な発想でのビジネスが可能となりました。メタバースから生まれた職業が次々に登場し、話題になる日も近そうですね。